「月夜のタヌキ」プロジェクト

物語のいでき始めのおや 〜月夜野アーカイブ〜

「物語のいでき始めのおや」とは、竹取物語のことを指した源氏物語のなかにあることばです。私たちは、「月(ツキ)」と「運」だけで勝負できるこのまち月夜野に、たくさんの物語を育てていきます。2016年、月夜野が日本百名月に登録されたことを機に、みなかみ〈月〉の会を結成しました。

カテゴリ:こころの月百景 > 月夜野百八燈

月夜野橋の歩道に行灯を飾らせていただく許可がおりました。

これから、仲秋の名月や春、秋の茂左衛門の縁日などに飾らせていただく計画です。

今回は、15日(水)の仲秋の名月から17日(土)の満月の日まで展示します。

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手すりへの固定方法は、いろいろ検討を重ねましたが、紐の縛り付けだけだと次第に緩む可能性があるので、リピートタイを使用して結びではなく締め込む方法をとってみました。
作業をしてくれたまちづくり協議会の皆さんも、要領をつかむまでは結構苦戦しました。
でも、この方法であれば外すとき、ロックを解除するだけになるので、次回からは楽になります。

1日目は、LEDロウソクを使用しましたが、橋の照明があるので、やや光量不足を感じます。

ただ明るさばかりを求める現代の照明に対しては、このくらいの仄かな明かりの魅力を見せたいところですが、ロケーションに応じて明るさもそれに相応しいものにしないと、演出の効果が出ません。

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2日目は、LEDではないロウソクに変えてみました。

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橋の上であるため風が吹くとすぐに消えてしまう心配もありますが、カップ型のロウソクなので、ある程度の風は耐えられるかと思います。

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橋を通過する車が、信号待ちの間、だいぶ皆さん注目してくれました。 

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50台のボリュームが見れる良いアングルの写真は、なかなか撮れませんでした。



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こうした場所の場合は、やはり傘(屋根)をつけた方がずっと見た目がよく、多少の雨でも心配も無くなるので、今後、傘部分の追加製作をします。


出来れば、手すりと柱の部分だけでも木を巻くような加工の許可も得られれば、ずっと風情も増すかと思いますが、実績を少しずつ重ねて粘り強く交渉していかないとなかなか難しいかもしれません。

まだまだ改良を重ねる必要がありますが、とりあえず小さな一歩を踏み出すことができました。

飾ることができたのは50台ほどなので、「月夜のこころ百景」の百選のうち半分ほどの歌や俳句ですが、一つひとつにとても魅力あふれる物語があるので、少しでもそれに気付き歩みを止めて見てくれる人が出ると嬉しいです。

橋を歩きながら、月の名歌・名句をゆっくり読んで楽しみ 、利根川の景色を楽しめるようになれたらと思います。



いま月夜野橋を景観に配慮した色に塗装をしてくださいなどとお願いしても、なかなか相手にはしてもらえませんが、このような積み重ねで少しずつ世論を育てて、何十年後かの月夜野橋の耐用年数の切れる頃には、京都嵐山の渡月橋のような橋の改修を実現したいものです。 

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現在の月夜野橋は、1957年(昭和32年) 宮地鉄工所製 
下路 平行弦ワーレントラス 1連

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ホタルの鑑賞期間の企画で夜行SLが、高崎−水上駅間を走りました。

水上駅では、キャンドルナイトでの出迎えがされ、
上毛高原駅では、後閑駅からホタルの鑑賞地へみえる人たちをおもてなし隊が、
太鼓や物産展でもてなしました。

このイベントにあわせて「月夜野百八燈」の30台ほどを、
上毛高原駅の東西出入り口に飾らせてもらいました。


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残念ながら、肝心な夜の明かりの写真を撮りそびれてしまいました。

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ホタルと月と行灯で、夜の仄かな明かりの文化を取り戻していく活動が、
ようやく月夜野からはじまります。




ホタルの短歌を検索してみると
以下のサイトにまとめられていました。
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/saijiki/hotaru.html


はやり、筆頭に紹介されているのはこの歌

『後拾遺集』和泉式部
物思へば沢の蛍も我が身よりあくがれいづるたまかとぞみる


『続後撰集』藤原定家
芦の屋に蛍やまがふ海人やたく思ひもこひも夜はもえつつ

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 『玉葉集』 (題しらず) 喜撰法師
  木の間よりみゆるは谷の蛍かもいさりにあまの海へゆくかも   

『新古今集』 (題しらず) 在原業平
  はるる夜の星か川辺の蛍かも我がすむかたに海人のたく火か   

『古今集』 (詞書略) 紀友則
  夕されば蛍よりけにもゆれどもひかり見ねばや人のつれなき   

『後撰集』 (詞書略) 読人不知
  つつめどもかくれぬ物は夏虫の身よりあまれる思ひなりけり   

『後拾遺集』 (蛍をよみはべりける) 源重之
  音もせで思ひにもゆる蛍こそなく虫よりもあはれなりけれ  

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『源氏物語』 (「蛍」 玉鬘の歌)
  声はせで身をのみこがす蛍こそいふよりまさる思ひなるらめ   

『千載集』 (題しらず) 源俊頼
  あはれにもみさをにもゆる蛍かな声たてつべきこの世と思ふに   

『恋昔百首』 (蛍) 源国信
  つくりおける罪を蛍のこの世にて尽くす炎を見るぞ悲しき   

『千載集』 (詞書略) 藤原季通
  昔わがあつめしものを思ひ出でて見なれ顔にもくる蛍かな   

『忠度集』 (蛍) 平忠度
  身の程に思ひあまれるけしきにていづちともなく行く蛍かな   

『式子内親王集』 (夏) 
  ながむれば月はきえゆく庭の面にはつかに残る蛍ばかりぞ   



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『続古今集』 (詞書略) 藤原定家
  さゆり葉のしられぬ恋もあるものを身よりあまりて行く蛍かな   

『新古今集』 (百首歌たてまつりし時) 九条良経
  いさり火のむかしの光ほの見えてあしやの里にとぶ蛍かな   

『風雅集』 (宝治百首歌の中に水辺蛍) 藤原俊成女
  秋ちかし雲ゐまでとやゆく蛍沢べの水に影のみだるる   

『玉葉集』 (千五百番歌合に) 後鳥羽院宮内卿
  軒しろき月の光に山かげの闇をしたひて行く蛍かな   

『新葉集』 (水辺蛍をよませ給うける) 後村上院
  夏草のしげみが下のむもれ水ありとしらせて行く蛍かな   

『新葉集』 (五百番歌合に) 長慶院
  あつめては国の光と成りやせんわが窓てらす夜はの蛍は   

『挙白集』 (瀬田の渡へ蛍をみにまうでられし時) 木下長嘯子
  飛ぶほたる思ひにもえてここも又世をうぢ川の水のみなかみ   

『後水尾院御集』 (水辺蛍) 
  とぶ蛍水の下にもありけりとおのが思ひをなぐさみやせん   

『漫吟集』 (秋の歌とて) 契沖
  空の色は水よりすみて天の川ほたるながるる宵ぞ涼しき   

『賀茂翁集』 (晩夏) 賀茂真淵
  行く雲もほたるの影もかろげなり来む秋ちかき夕風のそら   

『土を眺めて』 (妻の生家) 窪田空穂
  螢来(こ)と見やる田の面(も)は星の居る遙けき空に続きたりけり
  其子等に捕へられむと母が魂(たま)螢と成りて夜を来たるらし   

『あらたま』 斎藤茂吉
  草づたふ朝の蛍よみじかかるわれのいのちを死なしむなゆめ   

『桜』 坪野哲久
  かすかなるいのちといはめゆきあひてわかれ消えたり蛍二つは

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蛍の夕べの期間、土日だけ蛍月亭に行灯を灯しています。

6時半ころに点灯に行ったらちょうどお月様が出ていて
田んぼに映りこんでいました。


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ちょうど初めて来たらしい方が蛍月亭で暗くなるのを待っていました。

このときとばかりに、行灯の明かりを灯しながら、
そのひとつにある芭蕉の田毎の月の句を紹介しました。

ところが、どうもお客さんは蛍の方に興味の中心があるようで、
芭蕉の句や田んぼに映っている月には、いまひとつ興味をもってもらえませんでした。


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でも、行列になるホタル祭りの時よりも、
ちょうど今ごろの方がゆっくりホタルを鑑賞でき、
素敵な時間が過ごせることと思います。

どうぞゆっくりと楽しんでいってくださいね。



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一昨日に続いて、月夜野地区まちづくり協議会の皆さんと「月夜野百八燈」行灯の制作を行いました。

前回、材料の下ごしらえを終えているので、今回は組み立て塗装が中心の作業

        ・・・のはずでした。



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これらの下ごしらえ作業は、材料のカットと柱部分の接着。

一昨日にこれらは完了していました。

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ところが、材料の歩留まりなどを考えて、途中から寸法変更などをしたばかりに、
あっちの材料が足りない、
こっちの材料が余る、
など、その場ですったもんだ。


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今回は、ホタル祭りに合わせて初回ロットの50台のみ作業なのですが、
これをこれから1,000から2,000も作る予定だなどと、
とても口に出せる雰囲気ではありませんでした(笑)

とりあえず、作業の流れと組み立て上の注意するべきことは見えたので、
これからは、月の会の皆さんとも協力してコツコツと積み重ねていきます。

みんな!

頑張ろうぜ!





 


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「月夜野百八燈」は、本来は「月」がメインの企画ですが、
ここ月夜野では月とともに「ホタル」も欠かすことができません。

ホタルの夕べにあわせて、ホタルの短歌・俳句の行灯もいくつか制作してみました。



リストアップされた短歌や俳句は、以下のよなものです。

 

伊勢物語・四十五段
ゆく蛍雲のうへまで去ぬべくは秋風ふくと雁に告げこせ

好忠
焦るれど煙も見えず夏のひは夜ぞ蛍は燃ゑまさりける

後拾遺集 重之
音もせで思ひにもゆる蛍こそ鳴く虫よりもあはれなりけれ

経信
名取川そこさへぞ照る夏の夜は蛍ひまなく見へわたりつつ

経信
いさり火のなみまわくるにみゆれども染川わたる蛍なりけり

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式子内親王
詠れば月はたえゆく庭の面にはつかに残る蛍ばかりぞ

式子内親王
秋風と雁にやつぐる夕暮の雲近きまで行蛍かな

定家
やみといへばまづもえまさる蛍もや月になぐさむおもいなるらむ

定家
あぢさゑのしたばにすだく蛍をばよひらのかずのそふかとぞ見

定家
ももしきのたまのみぎりのみかは水まがふ蛍もひかりそへけり

定家
うちなびく川ぞひ柳ふく風にまづみだるるは蛍なりけり

俊成
ながむれば心もつきぬ行く蛍まどしづかなる夕暮れの空

定家
うたがひし心のあきの風たたば蛍とびかふ空に告げこせ

定家
夜もすがらまがふ蛍のひかりさへ別れは惜しきしののめのそら

定家
芹つみし沢辺のほたるおのれ又あらはにもゆとたれに見すらん

定家
おしてるや難波ほり江にしくたまの夜の光はほたるなりけり

定家
さゆりばのしられぬこひもある物を身よりあまりてゆく蛍かな

定家
かり枕まだふしなれぬあしの葉にまがふ蛍ぞくるる夜は知る

定家
こぎかへる棚なしを舟おなじ江にもえてほたるのしるべがほなる



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良経
風そよぐならのこかげの夕涼み涼しくもゆるほたるなりけり

良経
まどわたる宵のほたるもかげ消えぬ軒端に白き月のはじめに

良経
音にたてて告げぬばかりぞほたるこそ秋は近しと色に見せけれ

実朝
かきつばた生ふる澤べに飛ぶ蛍かずこそまされ秋やちかけむ




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すつと来て袖に入たる蛍哉 杉風

この句にはぴったりの絵ですが、まだ著作権チェックはしていません。


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愚にくらく棘をつかむ蛍哉 芭蕉

此ほたる田ごとの月にくらべみん 芭蕉

めに残るよしのをせたの蛍哉 芭蕉

艸の葉を落るより飛蛍哉 芭蕉

己が火を木々の蛍や花の宿 芭蕉



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月はやし梢は雨を持ちながら  芭蕉

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高野山谷のほたるもひじり哉 季吟

牛部屋に昼見る草の蛍哉 言水

戦けりほたる瀬田より参合 素堂

藪垣や卒塔婆のあひを飛ほたる 鬼貫

蚊遣火の烟にそるるほたるかな 許六

窓に寝て雲をたのしむ蛍哉 支考

梨壺の五匁膳や飛ぶ蛍 支考

さびしさや一尺くへてゆく蛍 北枝

がまの穂にとぼしつけたる蛍哉 千代女

つまづいて消つまづいて飛蛍 千代女

ひるは手に子供もとらぬ蛍かな 千代女

ほたる火や山路の往来おぼつかな 千代女



もう少し日常の暮らしのなかから生まれたような作品が他にもありそうですね。

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