「月夜のタヌキ」プロジェクト

物語のいでき始めのおや 〜月夜野アーカイブ〜

「物語のいでき始めのおや」とは、竹取物語のことを指した源氏物語のなかにあることばです。私たちは、「月(ツキ)」と「運」だけで勝負できるこのまち月夜野に、たくさんの物語を育てていきます。2016年、月夜野が日本百名月に登録されたことを機に、みなかみ〈月〉の会を結成しました。

カテゴリ:月夜野百景 >

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昨日、今日と連日素晴らしい月が出ています。


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ずっとこの諏訪神社跡の鳥居越しに三峰山にかかる月を狙っているのですが、
なかなか角度が合いません。

月の軌道が高い夏でないと難しいのかもしれません。

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ここは、名胡桃城址近くのレストラン「しんりん」さんの裏。

歴史ガイドの会の高橋会長に聞いたところ、
かつては、祭りなどの縁日には、
この神社前に露店が並ぶほどの賑わいがあったそうです。

明治の一村一社令で、上、中、下と三つあった社が統合されて、
衰退してしまったようです。




明日は、ウルトラスーパームーン

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矢瀬遺跡の源義家も今から狙いを定めてます。



ここの写真を撮るのは、上弦の月から十三夜頃の間でないと、
月と源義家像双方をはっきり写すのは難しそうです。


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月齢は13.4とは思えないほど、ほぼ真ん丸です。 
 

「月夜のこころ百景」に加えたい絶妙の唄を見つけました。





秋は嬉しや 二人転んで月見の窓

色々話しを菊の花

鹿とわからぬ主が胸

チョイと私は気を紅葉(もみじ)
 

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素晴らしい唄です。

「四季の唄」または「ヒヤヒヤ節」とも呼ばれる明治時代の座敷唄。

冒頭の唄は四季のうち三番目の秋。

「月夜のこころ百景」には入っていませんが、行燈には加えました。

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この秋の三番がひと際秀逸ですが、一番から全詩を以下転記します。 



春は嬉しや 二人転んで花見の酒
庭の桜に朧月
それを邪魔する雨風が
チョイと散らして又咲かす

夏は嬉しや 二人転んで涼みの船
風がりんきで簾垂捲く
恋の瀬川に竿立たず
チョイと浮名が流れ行く 

秋は嬉しや 二人転んで月見の窓
色々話しを菊の花
鹿とわからぬ主が胸
チョイと私は気を紅葉(もみじ) 

冬は嬉しや 二人転んで雪見の酒
障子明くれば銀世界
話しが積もれば雪もつむ
チョイと解けます炬燵中

春の花見は 小室嵐山祗園の桜
夏は疎水の涼み船
秋の紅葉は永観堂
冬は丸山雪見酒


『近代はやり唄集』岩波文庫より


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今年は9月からずっと曇り続きの天気だったので、
紅葉の色づきがおそらく悪いのではないかと思い、

ずっと私は気を紅葉(もみじ)





 

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近江の大津の宮に天の下知らしめす天皇の代天命開別天皇、諡して天智天皇といふ

天皇内大臣藤原朝臣に詔して、春山の万花の艶と秋山の千葉の彩と競ひ憐れ日しめたまふ時に、額田王が歌を持ちて判る歌


 
冬ごもり 春去り来れば 鳴かざりし 鳥も来鳴きぬ 咲かざりし 花も咲けれど

山を茂み 入りても取らず 草深み 取りても見ず 秋山の 木の葉を見ては

黄葉をば 取りてそしのふ 青きをば 置ききてそ嘆く そこし恨めし 秋山われは

                       額田王 万葉集 巻1ー16 





天智天皇が藤原鎌足に命じて、春山の花と秋山のもみじのどちらが良いか競わせた時の額田王の歌。

冬ごもりしていたが、春がくると、今まで鳴かなかった鳥も鳴き、咲かなかった花も咲く。
しかし、山は茂っているので入ることはできないし、草が深いので取ることもできない。
秋山の木の葉を見て、色づいた黄葉を取ってしのぶ。(春の)青い葉は置いて嘆いてる。 
恨めしいことに私は秋山なのだから
 


 輝かしい春山の大海人皇子に私がとりつく余地はありません。
結局、私は秋山、つまり天智天皇の一族なのですから

という意味にもとれる歌です。

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天智天皇が秋、天武天皇が春

この対比は、額田王からみたときだけの話ではなく、

天皇の歴史の中で、天武系、天智系の対立は、その後も一貫して流れていくものです。

これから、このブログでもずっと関わるポイントにもなります。

天智系 = 藤原系 ⇨ 太陽(アマテラス)重視

天武系 = 反藤原系 ⇨ 月(ツクヨミ)、または日月偏ることのない「天円地方」の思想




 
小野小町のような美貌で人気を得たタイプではなく、
いわゆる「いい女」としての魅力溢れる女性としては、
おそらく和泉式部と、この額田王に勝る女性は思い浮かびません。

と言っても、遠いところから眺めるだけの憧れですけどね。

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生方たつゑ 『額田王』 読売新聞社
黒岩重吾『茜に燃ゆ』 上・下  中公文庫
藤村由佳 『額田王の暗号』 新潮文庫 

 

かれこれ1ヶ月以上、すっきりと晴れた日はなかったように思えますが、
今日はほんとに久しぶりに月が煌々と照っています。

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昨日の「後の十三夜」も見そびれただけに、本当に美しく見えます。

写真は撮れませんでしたが、宵の明星も山の綺麗なシルエットの上に輝いていました。


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明日の十五夜も、天気予報では見れそうです。

 

もうかれこれ2週間くらい、ほとんど月の見れない日が続いています。

今思えば、仲秋の名月「指月会」でほんの一瞬だけでもみることが出来たことが、
あらためてありがたみを増して感じられます。

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もう月末も近づき、このまま新月になってしまいそうです。


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27日、28日と、つかの間の空が見えましたが、月が見れたのもほんの一瞬。



でも、美しい月を見るばかりでなく、
月を待つとき、
雲や山に隠れる月、
新月の深い闇など、
姿を見ることのできない月も、たくさんの歌に詠まれています。

そんな月の見えないときでも一際、寂しさを晴らしてくれる歌。




わが背子とふたりし居らば山高み 里には月は照らずともよし

                       高岡河内連 巻6 雑歌1039 






他に、姿の見えぬ人(月)との絶妙の会話例としては源氏物語の中に以下のやり取りがあります。

 源氏は、見えぬ相手の手を几帳越しにつかまえて

  梓弓(あずさゆみ)いるさの山にまどふかな ほの見し月の影や見ゆると
  
   いつぞやほのかに見えた有明月の光がもう一度見えるかと、月の入るあのいるさの山ならぬ、この戸口で尋ねあぐんでいます


     (朧月夜の返歌)心いる方ならませば弓張の月なき空に迷はましやは

         お気に入りのところだったら、弓張の月のない、途方もない闇の空にもお迷いになるはずはないでしょうに、
         やっぱり熱情がおありにならないからでしょうよ

                           紫式部  源氏物語 花宴

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山あれば山を観る

雨の日は雨を聴く

春夏秋冬

あしたもよろし

ゆふべもよろし


       山頭火





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秋は楽しいことがいっぱい。

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月夜野橋の歩道に行灯を飾らせていただく許可がおりました。

これから、仲秋の名月や春、秋の茂左衛門の縁日などに飾らせていただく計画です。

今回は、15日(水)の仲秋の名月から17日(土)の満月の日まで展示します。

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手すりへの固定方法は、いろいろ検討を重ねましたが、紐の縛り付けだけだと次第に緩む可能性があるので、リピートタイを使用して結びではなく締め込む方法をとってみました。
作業をしてくれたまちづくり協議会の皆さんも、要領をつかむまでは結構苦戦しました。
でも、この方法であれば外すとき、ロックを解除するだけになるので、次回からは楽になります。

1日目は、LEDロウソクを使用しましたが、橋の照明があるので、やや光量不足を感じます。

ただ明るさばかりを求める現代の照明に対しては、このくらいの仄かな明かりの魅力を見せたいところですが、ロケーションに応じて明るさもそれに相応しいものにしないと、演出の効果が出ません。

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2日目は、LEDではないロウソクに変えてみました。

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橋の上であるため風が吹くとすぐに消えてしまう心配もありますが、カップ型のロウソクなので、ある程度の風は耐えられるかと思います。

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橋を通過する車が、信号待ちの間、だいぶ皆さん注目してくれました。 

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50台のボリュームが見れる良いアングルの写真は、なかなか撮れませんでした。



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こうした場所の場合は、やはり傘(屋根)をつけた方がずっと見た目がよく、多少の雨でも心配も無くなるので、今後、傘部分の追加製作をします。


出来れば、手すりと柱の部分だけでも木を巻くような加工の許可も得られれば、ずっと風情も増すかと思いますが、実績を少しずつ重ねて粘り強く交渉していかないとなかなか難しいかもしれません。

まだまだ改良を重ねる必要がありますが、とりあえず小さな一歩を踏み出すことができました。

飾ることができたのは50台ほどなので、「月夜のこころ百景」の百選のうち半分ほどの歌や俳句ですが、一つひとつにとても魅力あふれる物語があるので、少しでもそれに気付き歩みを止めて見てくれる人が出ると嬉しいです。

橋を歩きながら、月の名歌・名句をゆっくり読んで楽しみ 、利根川の景色を楽しめるようになれたらと思います。



いま月夜野橋を景観に配慮した色に塗装をしてくださいなどとお願いしても、なかなか相手にはしてもらえませんが、このような積み重ねで少しずつ世論を育てて、何十年後かの月夜野橋の耐用年数の切れる頃には、京都嵐山の渡月橋のような橋の改修を実現したいものです。 

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現在の月夜野橋は、1957年(昭和32年) 宮地鉄工所製 
下路 平行弦ワーレントラス 1連

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