「月夜のタヌキ」プロジェクト

物語のいでき始めのおや 〜月夜野アーカイブ〜

「物語のいでき始めのおや」とは、竹取物語のことを指した源氏物語のなかにあることばです。私たちは、「月(ツキ)」と「運」だけで勝負できるこのまち月夜野に、たくさんの物語を育てていきます。2016年、月夜野が日本百名月に登録されたことを機に、みなかみ〈月〉の会を結成しました。

カテゴリ: 月夜のライブラリー

名胡桃城址・お月見報告 A3 - ポスター用


おかげさまで、本日をもって名胡桃城址でのお月見期間が終了いたしました。

残念ながら昨日、今日と雲がかかり、

お月さまはほとんど見ることができませんでした。

こんな日に暗闇の名胡桃城址へ来てくれる人などいないものと思い、

明日の片付け作業の準備でもしていようかと思っていたのですが、

なんと今日も何組かの方が来てくださいました。

雲の切れ間のなく、ほぼ見れないことが確実だったので、

わざわざ来てくださった方には本当に申し訳ないと思いましたが、

こんな日にこそ、「無月」のことをお話ししようと思いました。


昔から人々は月が見れないこのような日であっても

それを「無月」として人々はいろいろと楽しんでいます。



この「無月」には、3つの意味の使われ方があります。


その第一は、文字どおり月がないことで、新月などの日に

天文的に月が見えないときのことです。


第二は、実際には月があっても、雲がかかったり

雨の日であったり月を地上で見ることができない日のことです。


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そして第三の「無月」は、天文学上、月が出ているかどうかではなく、

それを見る私たちの側が、

月を見ようとしなかったり、出ていてもそれが目に入らなかったり、

こちらの身体的制約があって見えなかったりする場合の「無月」です。



今日、沼田から来られたご夫婦は、とても熱心に月への興味を持たれていたので、

ようやくこの話題をお話しすることができました。



月は、日々、満ちたり欠けたり

雲に隠れたり現れたり、常に姿を変えますが、

月そのものの実体は、いつでもまん丸であることに変わりはありません。

それが三日月に見えたり、半月や満月に見えたりするのは、

こちらの側の太陽との位置関係、立ち位置によって変わることで、

月そのものの実体は、いついかなる時でも「まん丸」です。



得てして、月が欠けたり見えなかったりする事が

相手の変化として見えるものですが、

相手に文句を言う前に、自分の側の立ち位置がそう見せているのであり、

自ら立ち位置を変えれば、月(相手)の姿は、

いつでもまん丸である事に気付けるのです。

たとえ相手が厚い雲に覆われていても、

月そのものの実体は、今も満月です。



そんなお話しを熱心なご夫婦とじっくり色々お話しする事が出来て、

まさにこの企画を通じて実現したかったものが、

理想の形で実ったような気もします。


今回の企画は、とても大勢のボランティア参加の皆さんと

関係機関の協力、資材の提供を得て実現することができただけでなく、

伝えたいメッセージを届けるには、このようなスタイルでこそ、

確実に伝えられるのだと確信することができました。 


やっぱり、この町は

ツキと運だけで十分勝負していける。

感謝。 

   月の砧   小唄【本調子】



松に住む、

月と相手に打つ砧、

我が家一つの秋にやと、

思へばいとゞ淋しさに、

木の間隠れに啼く虫の、

ほんに心も遣る瀬なや。



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昨日は雪が降ったこともあり、空気が澄み切ってとても綺麗な空でした。

今日は上弦の月。

半月であるにもかかわらず、煌煌と月明かりが雪面を照らしています。



上弦の月、下弦の月の見分け方


「上弦の月と下弦の月の見分け方」
http://park.geocities.jp/akanesumire0705/hangetsu.htm

など様々な方法が説明されていますが、私は
以下の方法を使っています。



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右手を空にかざして少し包むように丸めた形が上弦、
左手をかざして少し丸めた形が下弦
と判断してます。
この方がずっとわかりやすくて実用的な方法だと思います。



 

渋川の元高校教師、N先生に教えてもらった河原篤子の歌集。

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N先生には「月夜のこころ百景」
http://tsukiyono.blog.jp/archives/1060128701.htmlで選ぶ短歌でもいろいろアドバイスを頂いています。

いつもの立ち話の流れで今年の春に京都へ行った時、一緒に行った妻が河野裕子の本『京都うた紀行』
https://www.amazon.co.jp/京都うた紀行%E3%80%80歌人夫婦、最後の旅-文春文庫-河野裕子-ebook/dp/B01BF313MO/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1474115479&sr=8-1&keywords=河野裕子%E3%80%80京都
がとても旅の良い参考になったと喜んでいたことなど話していたら、河野裕子のつながりで河原篤子という歌人が『月夜野郵便局発』という歌集を出していることを教えてくれました。



歌集タイトルが『月夜野郵便局発』となっていますが、1冊全部が月夜野に関わっているわけではありません。

また河原さんは名古屋生まれの京都育ちの方で群馬や月夜野に格別の縁があるというわけでもありません。

月夜野という地名の響きに強く惹かれて創作を刺激されつくられ、それをタイトルにしたということです。





毛の国はたぬきも来たり織姫に文出すらむよ月夜野郵便局発





言われてみれば、手紙を出す月夜野郵便局というだけでも、宮沢賢治の童話が生まれそうな響きです。



早速、「月夜のまちライブラリー」
http://www.tsukiyono100.com/about-1-cmbe
の1冊に加えさせていただきました。 

「月夜野百八燈」リーフ HP用

1、熟田津(にきたつ)に船乗りせむと 月待てば潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな    
                                                                         
 額田王 万葉集 巻1 雑歌八

2、東(ひむがし)の 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ 
   
                                                                  
柿本朝臣人麻呂 万葉集 巻1 雑歌 四八

3、見えずとも誰恋ひざらめ 山の端にいさよふ月を 外に見てしか          
                                                                   満誓沙弥 
万葉集 巻3 雑歌 三九三

4、世の中は 空しきものと あらむとそ この照る月は 満ち欠けしける       
                                                                よみ人知らず 
万葉集 巻3 雑歌 四四二

5、月夜よし 川の音清し いざここに 行くも行かぬも 遊びていかむ       
                                                                防人佑大伴四綱 
万葉集 巻4 相聞 五七一

6、月読の 光は清く 照らせれど 惑へる心 思ひあへなく           
                                                                湯原王 
万葉集 巻4 相聞 六七一

     
目には見て 手には取らえぬ 月の内の 桂のごとき 妹をいかにせむ
                         
湯原王 


7、降り放けて 三日月見れば 一目見し 人の眉引き 思ほゆるかも       
                                                                大伴家持 
万葉集 巻6 雑歌 九九四

8、山の端に いさよふ月の 出でむかと 我が待つ君が夜は更けにつつ    
                                                                忌部首黒麻呂 
万葉集 巻6 雑歌 一〇〇八

9、我が背子と ふたりし居らば 山高み 里には月は 照らずともよし     
                                                                 高岡河内連 
万葉集 巻6 雑歌 一〇三九
 
10 あしひきの 山より出づる 月待つと 人には言ひて 妹待つわれを      
                                                                        
万葉集 巻12 三〇〇二

11 月見れば 同じ国なり 山こそば 君があたりを 隔てたりけれ       
                                                                  大伴池主 
万葉集 巻18 四〇七三


12 天地(あめつち)を照らす日月の極みなく あるべきものを何をか思はむ    
                                                                 大炊王 
万葉集 巻20 四四八六

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13 天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも      
                                                              安倍仲麿  
百人一首7 古今集 四〇六

14 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ちいでつるかな 
                                                            素性法師 
百人一首21 古今集 691

15 月みれば ちぢに物こそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど
                                
                         大江千里  百人一首23 古今集193
  
16  朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
                           
                         坂上是則  百人一首31 古今集332

17 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月やどるらむ
                             
                         清原深養父  百人一首36 古今集166

18 めぐり逢ひて 見しやそれともわかぬ間に 雲がくれにし夜半の月かげ
                                 
                         紫式部  百人一首57 新古今集1497

19 やすらはで 寝なましものをさ夜ふけて かたぶくまでの月を見しかな
                                       
                      赤染衛門 百人一首59 後拾遺集 恋・680

20 心にもあらで 憂き世に長らへば 恋しかるべき 夜半の月かな
                              
                            三条院 百人一首68 後拾遺集860

21 秋風に たなびく雲の絶え間より もれいづる月の影のさやけさ
                                 
                          左京大夫顕輔 百人一首79 新古今集413

22 ほととぎす 鳴きつるかたを眺むれば ただ有明の月ぞ残れる
                               
                          後徳大寺左大臣 百人一首81 千載集161

23 なげけとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな
                               
                        西行法師  百人一首86 千載集九二九

24ゆくへなく月に心のすみすみて果てはいかにかならむとすらむ
                            
                           西行法師  山家集三五三

25 来む世には心のうちにあらはさむあかでやみぬる月の光を
                                
                         西行法師  御裳濯河歌合 一四

26 ともすれば月澄む空にあくがるる心のはてを知るよしもがな
                               
                       西行法師   山家集 六四七

27 捨つとならば憂き世をいとふしるしあらむわが身は曇れ秋の夜の月
                                 
                        西行法師  宮河歌合三二

28 願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ
                             
                        西行法師   山家集 七七
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29 、月の顔見るは忌むこと、と制しけれども、
     ともすれば人まにも月を見ては、いみじく泣き給ふ。
                                                                                           
竹取物語

30花はさかりに。月はくまなきをのみ見るものかは。
  雨にむかひて月をこひ、たれこめて春のゆくへ知らぬも、なほあはれに情ふかし。

                                                                              吉田兼好  
徒然草  
                                       
31 夏は、夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
  また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。
  雨など降るも、をかし。
              清少納言  
枕草子
                   
32 山の端の心も知らで行く月は うはの空にて影や絶えなむ
                                          
                         紫式部  源氏物語 夕顔
                                   
33晴れぬ夜の月待つ里を思ひやれ 同じ心にながめせずとも
                                          
                        紫式部  源氏物語 末摘花

    梓弓(あずさゆみ)いるさの山にまどふかな なほ見し月の影や見ゆると

     (朧月夜の返歌)心いる方ならませば弓張の月なき空に迷はましやは
                           紫式部  源氏物語 花宴

                                 
34 てる月を弓張りとしもいふことは山辺をさしていればなり    
                                     凡河内躬恒 


35 月夜にはそれとも見えず梅の花 香をたづねてぞ知るべかりける
                                     凡河内躬恒 古今集四〇
                                        

36 見る人にいかにせよとか月影のまだ宵のまに高くなりゆく
                                    凡河内躬恒 玉葉二一五八
                            
37 水のおもに照る月なみをかぞふれば 今宵ぞ秋のも中なりける
                                                          源順 
(みなもとのしたごう) 拾遺一七一

38 木の間より もりくる月の 影みれば 心づくしの 秋はきにけり
                                         
                よみ人しらず  古今集 巻第四 秋歌下 三一二
                         

39 月夜よし 夜よしと人につげやらば 来てふに似たり待たずしもあらず
                                        
                  よみ人しらず 古今集 巻第十四 恋歌四六九二

40 てりもせず くもりもはてぬ春の夜の おぼろ月夜にしく物ぞなき
                                        
                      大江千里 新古今集 巻一 春歌上五五
                                                   
41 たづねきて 花にくらせる木の間より 待つとしもなき山のはの月
                                     
                          新古今 巻一 春歌上九四


4神は月 ひとの心は 露なれや すめる処に 影や宿さん  内宮神楽歌   

                             

                           

[月夜のこころ百選]オモテjpeg



43 春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり   道元    

44 山の端のほのめくよひの月かげに光もうすくとぶ螢かな  道元 

45 大空に心の月をながむるも闇に迷ひて色にめでけり    道元     

46 濁りなき心の水にすむ月は波もくだけて光とぞなる    道元 

47風は清し月はさやけしいざ共に踊り明かさむ老の名残に   良寛     

48 雲をいでて我にともなふ冬の月 風やみにしむ雪やつめたき   明恵

49 花をも憂しと 捨つる身の、花をも憂しと 捨つる身の、月にも雲は いとはじ
                                            謡曲「忠度

50 、げにや眺むれば 月のみ満てる塩釜の うら淋しくも荒れ果つる
  後の世までも塩染みて 老いの波も返るやらん あら昔恋しや 恋しや恋しやと 
  慕へども嘆けども かひも渚の浦千鳥
   音(ね)をのみ泣くばかりなり 音(ね)をのみ泣くばかりなり
      謡曲「融」

51時しも頃は如月の、如月の十日の夜、月の都を立ち出でて、
  これやこの、行くも帰るも別れては、知るも知らぬも、
  逢坂の山隠す霞ぞ春はゆかしける、
  浪路はるかに行く船の、海津の浦に着きにけり。       
歌舞伎 「勧進帳
                                          
52仰(おし)やる闇の夜 仰やる、仰やる闇の夜 つきもないこと 
                                         閑吟集 七三 

53花見れば、袖濡れぬ 月見れば 袖濡れぬ 何の心ぞ    閑吟集 305

54花籠に月を入れて 漏らさじ、これを 曇らさじと 持つが大事な
                                           閑吟集      三一〇
55曇りなき心の月をさきたてて 浮世の闇を照らしてぞ行く
                                          伊達政宗 辞世

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56空にかがよう弓張月、わが弓勢(ゆんぜい)にたぐえしも、
    今は徒(あだ)なる徒波の南冥の果てに朽ちなんこと、勇者の誉れも何かあらん。 
                                                                                
曲亭馬琴 珍説弓張月
57 一声は 月が啼いたか ほととぎす 
   いつしかしらむ みじか夜に 
まだ寝もやらね 手枕に
   男ごころは むごたらしい 女ごろは左様じゃない 
        片時逢ねば くよくよと 愚痴なおもひで 泣てるわいな 
   江戸端唄百番

58 月は無情と言うけれど、主さん月よりまだ無情。
        月は夜出て朝帰る、主さん今来て今帰る
 
59 お月さん いくつ 十三ななつ なな織り着せて 京のまち出したれば・・・・


60他人はおそろし、闇夜はこわい。親と月夜はいつも好い  

                                        「けさの寒さに」守り子唄

61 うさぎうさぎ、なによ見てはねる。十五夜御月さま見てはねる。
                                        子守歌 あそばせ唄

62雨降りお月さん 雲の蔭 お嫁に行くときゃ 誰とゆく
                                      野口雨情  童謡
63月が出た出た 月が出た(ヨイヨイ)三池炭鉱の上に出た 
     あまり煙突が高いので さぞやお月さん けむたかろ(サノヨイヨイ)
  炭坑節

64村雲すこし有るもよし、無きもよし

    みがき立てたるやうの月のかげに尺八の音聞えたる、
                                                                                 
   樋口一葉 「月の夜」 
 

65「I  LOVE YOU」 (和訳) 「月がきれいですね」 事実確認はされていない夏目漱石の逸話

          

66・・・・日ぐれに落ちた お日さまと、夜あけに沈む お月さま、

  逢うたは深い海の底。
     ある日漁夫にひろわれた、赤とうす黄の 月日貝。
           金子みすゞ 「月日貝」


67上を向いて歩こう 涙がこぼれないように 思い出す春の日 一人ぼっちの夜 

 (略)悲しみは星のかげに 悲しみは月のかげに 上を向いて歩こう 

  涙がこぼれないように 泣きながら歩く 一人ぼっちの夜 一人ぼっちの夜  永六輔
 
68、ネマノウチカラフト気ガツケバ 霜カトオモフイイ月アカリ 
    ノキバノ月ヲミルニツケ ザイショノコトガ気ニカカル
   井伏鱒二
                                        
69、月かげが山の端から中天に移って来たときに、河童の眼にはじめて涙が浮いた。
    それは泣くことができない悲しみを感じたときに、泣くことができたからである。                                                  
火野葦平「月かげ」

70 、あの池のぐるりを五色の電飾が花やかに取り巻いていて、
   月はあれどもなきがごとくなのであった。
                                                      
                          谷﨑潤一郎「陰翳礼讃」

71温泉小屋(いでゆごや)壁しなければ巻きあがる湯気にこもりて冬の月射す
                                          若山牧水
 
72月は水銀を塗られたでこぼこの噴火口からできている   宮沢賢治     

73念仏も嫁入り道具のひとつにて満月の夜の川渡り来る   寺山修司

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74夜半過ぎて障子の月の明るさよ    高浜虚子                      

75 三日月の今か沈まん波濤かな   高浜虚子
 

76寒月や門なき寺の天高し     与謝蕪村                        

77菜の花や月は東に日は西に     与謝蕪村 
 
78雲折々人をやすむる月見かな    松尾芭蕉                        

79 此ほたる田ごとの月にくらべみん   松尾芭蕉

80 名月や池をめぐりて夜もすがら    松尾芭蕉                      

81 外(と)にも出よ触るるばかりに春の月    中村汀女
 
82春の月さはらば雫たりぬべし    小林一茶                       

83名月やとってくれろと泣く子かな   小林一茶
 
84捨や二度目の月も捨てかねる    小林一茶                            

85、こんなよい月を一人で見て寝る   尾崎放哉
 
86月へひとりの戸はあけておく    種田山頭火                       

87、お月さまがお地蔵さまにお寒うなりました   種田山頭火
 
88腹いっぱいの月がでている    種田山頭火                        

89 家ぢゆうに草の匂ひや盆の月   長谷川櫂 

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90ホー、ホー、蛍こい あっちの水は苦いぞ こっちの水は甘いぞ 
  ホー、ホー、蛍こい 山路こい 行燈の光で又こいこい 
    秋田県

91すっと来て袖に入たる蛍哉     杉風                    

92親一人、子一人蛍光りけり     久保田万太郎                        

93物思へば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる魂かとぞみる
                                         和泉式部  

94声はせで身をのみこがす蛍こそいふよりまさる思ひなるらめ
                                         源氏物語 

95軒しろき月の光に山かげの闇をしたひて行く蛍かな    後鳥羽院宮内卿       

96秋ちかし雲ゐまでとやゆく蛍 沢べの水に影のみだるる 
                                         藤原俊成女

97音もせで思ひにもゆる蛍こそ なく虫よりもあはれなりけれ
                                            源重之     

98飛ぶ蛍ひかりさびしく見ゆるまに 夏は深くもなりにけるかも
                                             樋口一葉

99、その子等に捕えられむと母が魂(たま)
      蛍となりて夜(よ)を来(きた)るらし   
窪田空穂    

100蛍火の今宵の闇の美しき   高浜虚子
                                        

 

月夜野百八燈リーフ オモテ




萬 葉 集     月の歌 20選


萬葉集の月の歌は170首以上もあります。
甲乙つけがたい作品が多く、そのなかから20首を選ぶのはとても無理があるかと思います。

また前後の長歌や短歌の流れがないと、意味が伝わらないものも多いものですが、
いずれ、文脈などの解説は徐々に書き足していきたいと思っています。

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1、熟田津(にきたつ)に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな
                            額田王      巻1  雑歌8


2、東(ひむがし)の 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ
                     柿本朝臣人麻呂  巻1  雑歌48


3、あかねさす 日は照らせれど ぬばたまの 夜渡る月の 隠らす惜しも
                         巻2 雑歌169 


4、世の中は 空しきものと あらむとそ この照る月は 満ち欠けしける
                    よみびと知らず   巻3 雑歌442


5、見えずとも 誰れ恋ひずあらめ 山の端に いさよふ月を 外に見てしか
                     満誓沙弥 巻3  393 
 

6、月夜よし 川の音清し いざここに 行くも行かぬも 遊びて行かむ
                     防人佑大伴四綱 巻4 相聞571
 

7、目には見て 手には取らえぬ 月の内の 桂のごとき 妹をいかにせむ
                       湯原王 巻4 相聞632

           目には見て手にはとられぬ月のうちの桂のごとき君にぞありける 『伊勢物語』


8、月読の 光は清く 照らせれど 惑へる心 思ひあへなく
                       湯原王  巻4 相聞671


9、ぬばたまの 夜霧の立ちて おほほしく 照れる月夜の 見れば悲しさ
                      大伴坂上郎女  巻6 雑歌982


10、はしきやし 間近き里の 君来むと おほのびにかも 月の照りたる
                       湯原王  巻6 雑歌986

 
11、り放けて 三日月見れば 一目見し 人の眉引き 思ほゆるかも
                        大伴家持 巻6 雑歌994 

        月立ちて ただ三日月の 眉根掻き 日長く恋ひし 君に逢へるかも
                                坂上郎女 巻6 雑歌993


12、山の端に いさよふ月の 出でむかと 我が待つ君が 夜は更けにつつ
                       忌部首黒麻呂 巻6 雑歌1008


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13、我が背子と ふたりし居らば 山高み 里には月は 照らずともよし
                      高丘河内連 巻6 雑歌1039

              ******
 


14、この夜らは さ夜更けぬらし 雁が音の 聞こゆる空ゆ 月立ち渡る
                         巻10 秋雑歌2224


15、わが背子が かざしの萩に 置く露を さやかに見よと 月は照るらし
                         巻10 秋雑歌2225


16、あしひきの 山より出づる 月待つと 人には言ひて 妹待つわれを
                         巻12 3002 


17、ぬばたまの 月に向ひて ほととぎす 鳴く音遥(はる)けし 里遠みかも
                        大友家持 巻17 3988


18、月見れば 同じ国なり 山こそば 君があたりを 隔てたりけれ
                        大伴池主  巻18 4073


19、秋風の 吹き扱(こ)き敷ける 庭の花 清き月夜に 見れど飽かぬかも
                        大伴家持 巻20 4453


20、天地(あめつち)を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ
                        大炊王   巻20 4486




月夜野百八燈リーフ ウラ

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万葉集(4) 巻15〜20
作者出典
151ぬばたまの 夜渡る月に あらませば 家なる妹に 逢ひて来ましを万葉 巻15 3671
152ひさかたの 月は照りたり 暇(いとま)なく 海人の漁りは 燈し合へりみゆ万葉 巻15 3672
153天離(あまざか)る 鄙(ひな)にも月は 照れれども 妹ぞ遠くは 別れ来にける万葉 巻15 3698
154隠(こも)りのみ 恋(こ)ふれば苦し 山の端ゆ 出で来る月の 顕(あらは)さばいかに万葉 巻16 3803
155織女(たなばた)し 舟乗りすらし まそ鏡 清き月夜に 雲立ちわたる大伴家持万葉 巻17 3900
156かきつはた 衣に摺りつけ ますらをの 着襲(きそ)ひ猟(かり)する 月は来にけり大伴家持万葉 巻17 3921
157ぬばたまの 夜は更けぬらし 玉櫛笥(たまくしげ) 二上山に 月かたぶきぬ万葉 巻17 3955
158ぬばたまの 月に向ひて ほととぎす 鳴く音遥(はる)けし 里遠みかも大伴家持万葉 巻17 3988
159珠洲の海に 朝開きして 漕ぎ来れば 長浜の浦に 月照りにけり大伴家持万葉 巻17 4029
160ほととぎす こよ鳴き渡れ 灯火を 月夜になそへ その影も見む大伴家持万葉 巻18 4054
161月待ちて 家には行かむ わが挿せる 赤ら橘 影に見えつつ粟田女王万葉 巻18 4060
162ぬばたまの 夜渡る月を 幾夜経(ふ)と 数(よ)みつつ妹は われ待つらむそ大伴家持万葉 巻18 4072
163月見れば 同じ国なり 山こそば 君があたりを 隔てたりけれ大伴池主万葉 巻18 4073
164あしひきの 山はなくもが 月見れば 同じ里を 心隔てつ大伴家持万葉 巻18 4076
165雪の上に 照れる月夜に 梅の花 折りて贈らむ 愛(は)しき児(こ)もがも大伴家持万葉 巻18 4134
166さ夜更けて 暁月(あかときづき)に 影見えて 鳴くほととぎす 聞けばなつかし万葉 巻19 4181
167渋谿(しぶたに)を さして我が行く この浜に 月夜飽きてむ 馬しまし止め大伴家持万葉 巻19 4206
168秋風に 今か今かと 紐解きて うら待ち居(を)るに 月傾きぬ万葉 巻20 4311
169秋草に 置く白露の 飽かずのみ 相見るものを 月をし待たむ万葉 巻20 4312
170秋風の 吹き扱(こ)き敷ける 庭の花 清き月夜に 見れど飽かぬかも大伴家持万葉 巻20 4453
171ほととぎす かけつつ君が 松陰に 紐解き放(さ)くる 月近づきぬ大伴家持万葉 巻20 4464
172天地(あめつち)を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ大炊王万葉 巻20 4486
173み雪降る 冬は今日のみ うぐひすの 鳴かむ春へは 明日にしあるらし主人三形王万葉 巻20 4489


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「月夜野百八燈」リーフ HP用


万葉集(3) 巻10〜15
作者出典
九月(ながつき)の 有明の月夜 ありつつも 君が来まさば われ恋ひめやも万葉 巻10 秋相聞歌2300
しぐれ降る 暁月夜(あかときづくよ) 紐解かず 恋ふらむ君と 居らましものを万葉 巻10 秋相聞歌2306
誰が園の 梅の花ぞも ひさかたの 清き月夜に ここだ散りくる万葉 巻10 冬雑歌2325
さ夜更けて 出で来む月を 高山の 嶺の白雪 隠すらむかも万葉 巻10 冬雑歌2332
降る雪の 空に消ぬべく 恋ふれど 逢ふよしなに 月ぞ経にける万葉 巻10 冬相聞歌2333
わがやどに 咲きたる梅を 月夜よみ 宵々見せむ 君こそ待て万葉 巻10 冬相聞歌2333
泊瀬の 斎槻(ゆつき)が下に わが隠せる妻 あかねさし 照れる月夜に 人見てむかも万葉 巻11 施頭歌2353
月見れば 国は同じぞ 山へなり 愛(うつく)し妹は へなりてあるかも万葉 巻11 2420
雲間より さ渡る月の おほほしく 相見し子らを 見むよしもがも万葉 巻11 2450
遠き妹が 降りさけ見つつ 偲ふらむ この月の面に 雲たなびき 万葉 巻11 2460
山の端を 追ふ三日月の はつはつに 妹をぞ見つる 恋しきまでに万葉 巻11 2461
我妹子し われを思はば まそ鏡 照り出づる月の 影に見え来ぬ万葉 巻11 2462
ひさかたの 天照る月の 隠りなば 何になそへて 妹を偲はむ万葉 巻11 2463
三日月の さやにも見えず 雲隠り 見まくぞ欲しき うたてこのころ万葉 巻11 2464
味酒(うまさけ)の みもろの山に 立つ月の 見が欲し君が 馬の音ぞする万葉 巻11 2512
月夜よみ 妹に逢はむと 直道(ただち)から われは来つれど 夜ぞ更けにける万葉 巻11 2618
夕月夜 暁闇の 朝影に わが身はなりぬ 汝(な)を思ひかねて万葉 巻11 2664
月しあれば 明くらむわきも 知らずして 寝てわが来しを 人見けむかも万葉 巻11 2665
妹が目の 見まく欲しけく 夕闇の 木の葉隠れる 月待つごとし万葉 巻11 2666
真袖もち 床うち掃ひ 君待つと 居りし間に 月かたぶきぬ万葉 巻11 2667
二上(ふたかみ)に 隠らふ月の 惜しけども 妹が手本を 離るるこのころ万葉 巻11 2668
わが背子が 振り放け見つつ 嘆くらむ 清き月夜に 雲なたなびき万葉 巻11 2669
まそ鏡 清き月夜の ゆつりなば 思ひはやまず 恋こそまさめ万葉 巻11 2670
今夜の 有明月夜 ありつつも 君をおきては 待つ人もなし万葉 巻11 2671
この山の 嶺に近しと わが見つる 月の空なる 恋もするかも万葉 巻11 2672
ぬばたまの 夜渡る月の ゆつりなば さらにや妹に わが恋ひ居らむ万葉 巻11 2673
窓越しに 月おし照りて あしひきの 嵐吹く夜は 君をしぞ思ふ万葉 巻11 2679
この言を 聞かむとならし まそ鏡 照れる月夜も 闇のみに見つ万葉 巻11 2811
かくだにも 妹を待ちなむ さ夜更けて 出で来し月の かたぶくまでに万葉 巻11 2820
木の間より 移ろふ月の 影を惜しみ 立ち廻(もとほ)るに さ夜更けにけり万葉 巻11 2821
あしひきの 山より出づる 月待つと 人には言ひて 妹待つわれを万葉 巻12 3002
夕月夜 暁闇(あかつきとやみ)の おほほしく 見し人ゆえに 恋ひわたるかも万葉 巻12 3003
ひさかたの 天つみ空に 照る月の 失わせむ日こそ わが恋やまめ万葉 巻12 3004
十五日(もちのひ)に 出でにし月の 高々に 君をいませて 何をか思はむ万葉 巻12 3005
月夜よみ 門に出で立ち 足占(あしうら)して 行く時さへや 妹に逢はずらむ万葉 巻12 3006
ぬばたまの 夜渡る月の さやけくは よく見てましを 君が姿を万葉 巻12 3007
あしひきの 山を木高み 夕月を いつかと君を 待つが苦しさ万葉 巻12 3008
能登の海に 釣りする海女(あま)の 漁(いざ)り火の 光にいませ 月待ちがてり万葉 巻12 3169
あらたまの 年の緒長く 照る月の 飽かざる君や 明日別れなむ万葉 巻12 3207
久にあらむ 君を思ふに ひさかたの 清き月夜も 闇の夜に万葉 巻12 3208
天橋も 長くもがも 高山の 高くもがも 月夜見の 持てるをち水 い取り来て 君に奉りて をち得てしかも万葉 巻13 雑歌3245
天なるや 月日のごとく わが思へる 君が日に異(け)る 老ゆらく惜しも万葉 巻13 雑歌3246
わがゆえに 思ひな瘦せそ 秋風の 吹かむその月 逢はむものゆえ万葉 巻15 3586
月読の 光を清み 神島の 磯間の浦ゆ 船出すわれは万葉 巻15 3599
大船に 真楫(まかじ)しじ貫き 海原を 漕ぎ出て渡る 月人壮士万葉 巻15 3611
月読の 光を清み 夕なぎに 水手(かこ)の声呼び 浦み漕ぐかも万葉 巻15 3622
山の端に 月傾けば 漁(いざ)りする 海人の燈火(ともしび) 沖になづさふ万葉 巻15 3623
ひさかたの 天照る月は 見つれども わが思ふ妹に 逢はぬころかも万葉 巻15 3650

ぬばたまの 夜渡る月は 早も出でぬかも 海原の 八十島の上ゆ 妹があたり見む万葉 巻15 3651
夕月夜 影立ち寄り合ひ 天の川 漕ぐ舟人を 見るが羨(とも)しさ万葉 巻15 3658


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