「月夜のタヌキ」プロジェクト

物語のいでき始めのおや 〜月夜野アーカイブ〜

「物語のいでき始めのおや」とは、源氏物語のなかにでてくる竹取物語のことを指したことばです。わたしたちは、「月(ツキ)」と「運」だけで勝負できるまち月夜野から、たくさんの物語の生まれるこの地の風土を発見し、また育てていくことを目指しています。 (「みなかみ〈月〉の会」と「月夜のタヌキ会議」による共同ブログです)

カテゴリ: こころの月百景

「月夜野百八燈」設置10日目にして、初めて行灯の補修を行いました。

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よく雨風に耐えてくれていると思っていましたが、 初期に作成した行灯は木工ボンドの接着のみの部分があり、湿度、気温、日差しなどの変化にさらされると、当然傷むことが予想されていました。

点灯時に気付いたので、出直して工具を持ってきて2、3台補修をしました。

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昨夜は飲み会が盛り上がってしまい、行灯の消灯が午前零時をまわってしまいました。


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するとこの場所にもホタルが一匹、す〜と飛んでいました。


零時をまわると、まわりの駐車場の明かりなども消え、車の通りもほとんどありません。


そんな夜の闇は、先の東京オリンピックのころまでは当たり前のようにあった世界です。


普通の家のなかにまで、す〜とホタルが入ってくるまちを取り戻すこと、

それは決して夢物語ではありません。



       すっと来て袖に入たる蛍哉

                           杉 風

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ホタル舞うの季節の「月夜野百八燈」

みなかみ〈月〉の会の企画で、みなかみまちづくり協議会月夜野支部で昨年から制作したものを、今年度から矢瀬親水公園上から月夜野郷土資料館前までの区間の歩道フェンスへの設置許可をいただき、ホタルの季節と仲秋の名月の時期に展示します。


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15日に50台だけ設置が終わりました。
まだ30台残ってますが、とりあえずの形はできました。

月夜野のホタルの季節の間の6月15日(木)から7月2日(日)までの期間、展示します。
明かりの点灯は、夜7時から9時半ころまでの時間を予定しています。

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ほのかな明かりのもと、

おばあちゃんが孫の手をひいて、

ぽっくらぽっくらホタルと月のまちを楽む姿、

そんな光景をイメージしてはじめました。

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昨年1年間の試行錯誤を経て、ようやく納得のいく設置スタイルを得ることができました。

ここからホタルの観賞地域までは少し歩くことになりますが、
これによって6月24日(土)矢瀬親水公園で行われる「月夜野ホタル観賞の夕べ」で、
シャトルバスを利用する人が少しでも減らすことができればとも思います。


行燈には「月」と「蛍」にかかわる短歌や俳句、川柳などが書かれているので、
ひとつひとつ見ながらゆっくりと楽しんでいただければ幸いです。

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     かたまるや散るや蛍の川の上    夏目漱石

  
これは行灯には入っていませんが、漱石も子規のとなりに居ただけあって
なかなか良い句を出していますね。

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昔の明かりは、ほとんど夜の暮らしには不十分なレベルでした。


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だからこそ、そこには本物の夜、当たり前の夜がありました。

 
 

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確かに闇を明るく照らすことは、豊かさの象徴であったといえます。

でも現代の明かりを半分に減らすことで、心身の豊かさは、確実に増すことができます。


月夜野百八燈 タテ 改訂

 





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行燈を月の夜にせんほとゝきす

                 嵐雪



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幸田露伴『評釈芭蕉七部集』の中の「炭俵」よりの句です。

露伴の評釈は以下のように続いてます。

後には室内に置ける燈を行燈といふやうになりたれども、
此頃は猶字のごとく提げて歩くものをしか言へるにて、
行燈の暗き夜なるより、
古く月に縁有るほとゝぎすのことを云出して、
一句の趣向を立てたるなり。



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「月夜野百八燈」のデザインコンセプトに間違いはなかった。

「月夜野百景」
http://www.tsukiyono100.com/moon

月夜野百八燈 タテ 改訂


30年くらい前に出会い、
20年くらい前にようやく古書で購入し、
ずっと棚の肥やしになっていた本。
 
ようやく熟成して味わえる幸せ。



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芭蕉は渋滞せず、執着せず、山を出蔓の水の、茂林深谷の間を行き、
平野曠野の中を流れ、觸處に景をなして趣を變ずるが如く、
峰にかかる雲の暁天に紫を横たへ、夕陽に紅を暈して、
少時に態を換え観を異にするが如し。
 
春の日は冬の日に異なり、曠野は春の日に異なり、
ひさごはまた曠野に異なり、猿蓑はまたひさごに異なり、
炭俵また猿蓑に異なり、續猿蓑また炭俵に異なれるを看て知るべし。

猿蓑は好き集なり、されど猿蓑のみに芭蕉の眞 正體の籠れるが如くいふは、
却って芭蕉を累するのあやまりに墜ちん。 

 

茂左衛門地蔵尊、初詣期間のうち2日の夜まての間、月夜野橋に行灯を飾ってます。

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冬の強風対策で、光源をロウソクからLEDランタンに変えたら、白色系の明かりになってしまった分、
今度は行灯らしさがちょっとなくなってしまいました。

でも行燈の月の歌などの文字は、明かりがついても読みやすくなりました。

少しでも読んでくれる人がいたら嬉しい。

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明かりを今度、オレンジ色マジックで塗ってみようか。

まだまだ試行錯誤がつづきます。

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設置を終えたら、ちょうど西の空に三日月が沈むところでした。

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 みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。

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詩 工藤直子  絵 佐野洋子 『新編あいたくて』 新潮文庫 

オオキクナッタラ満月ニナル!

工藤直子の「やまぶどうの夢」という詩に出てくる表現です。

作品の一部分のみを切り取ってしまうのは、作者には大変失礼なことですが、
私たちの地域にとってとても大事な表現なので、引用させていただきました。 



月夜野のお月見ガイドリーフの裏面タイトルでも使わせていただいてます。

お月見ガイド ワイド 印刷用




月夜野のリンゴ「ぐんま名月」などが、ほかの場所のリンゴとくらべて
どうしてこんなに美味しいのか?


月夜野のリンゴは、こう言って育つからです。

「ぼく、大きくなったら満月になる!」


原作の表現を、勝手にいじるわけにはいかないので、

残念ながら冒頭の「ぼく」は省略させていただきました。





月夜野に暮らす人たちは、みんなまん丸の満月になることを目指しています。



「月夜のこころ百景」に加えたい絶妙の唄を見つけました。





秋は嬉しや 二人転んで月見の窓

色々話しを菊の花

鹿とわからぬ主が胸

チョイと私は気を紅葉(もみじ)
 

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素晴らしい唄です。

「四季の唄」または「ヒヤヒヤ節」とも呼ばれる明治時代の座敷唄。

冒頭の唄は四季のうち三番目の秋。

「月夜のこころ百景」には入っていませんが、行燈には加えました。

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この秋の三番がひと際秀逸ですが、一番から全詩を以下転記します。 



春は嬉しや 二人転んで花見の酒
庭の桜に朧月
それを邪魔する雨風が
チョイと散らして又咲かす

夏は嬉しや 二人転んで涼みの船
風がりんきで簾垂捲く
恋の瀬川に竿立たず
チョイと浮名が流れ行く 

秋は嬉しや 二人転んで月見の窓
色々話しを菊の花
鹿とわからぬ主が胸
チョイと私は気を紅葉(もみじ) 

冬は嬉しや 二人転んで雪見の酒
障子明くれば銀世界
話しが積もれば雪もつむ
チョイと解けます炬燵中

春の花見は 小室嵐山祗園の桜
夏は疎水の涼み船
秋の紅葉は永観堂
冬は丸山雪見酒


『近代はやり唄集』岩波文庫より


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今年は9月からずっと曇り続きの天気だったので、
紅葉の色づきがおそらく悪いのではないかと思い、

ずっと私は気を紅葉(もみじ)





 

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