「月夜のタヌキ」プロジェクト

物語のいでき始めのおや 〜月夜野アーカイブ〜

「物語のいでき始めのおや」とは、竹取物語のことを指した源氏物語のなかにあることばです。私たちは、「月(ツキ)」と「運」だけで勝負できるこのまち月夜野に、たくさんの物語を育てていきます。2016年、月夜野が日本百名月に登録されたことを機に、みなかみ〈月〉の会を結成しました。

カテゴリ: 月夜野百景

名胡桃城址・お月見報告 A3 - ポスター用

今回の企画中、なかなかうまいタイミングで来場者へ月の解説をすることができず、もどかしさを感じていました。
それでもようやく、終盤のあいにく雲で月の見れない日になって、じっくりとお話しをする機会をもつことができるようになりました。

そんな貴重なお客さんとの出会いのなかでも、最終日に沼田から来ていただいたご夫婦と過ごさせていただいた時間は、私にとって格別なものでした。

それは、そのご夫婦とゆっくりと名胡桃城址を歩き始めて間もなくのことです。

ご主人が、二の丸の土塁を見て
「ホタルがいる」
といったのです。

え?
と思いながら、じっと土塁の草むらを見つめると、
確かに、小さな明かりがかすかに見えます。

これは、本当にホタルの光だろうか、
と半分疑いながら目をこらすと、
数十センチ離れたところでもまた光っているのが見えました。

確かにこの光り方はホタルです。

次第に目が慣れてくると、
あちらにも、こちらにも、
光が見えてきます。

それは、暗闇をただ歩いているだけでは気づかないような
とても小さな光です。

思わぬ発見の興奮と
その光がとても小さいこともあり、
ひたすら三人で感激するあまり、
写真撮影にはとても気がまわりませんでした。


ホタルは日本に40種類以上いるそうです。

幼虫が水中でくらすのはゲンジボタルとヘイケボタルくらいで、


他の種類の幼虫はみな陸棲です。

調べてみると秋のホタルというと、クロマドボタルの幼虫かと思われます。


名胡桃城址へ月を見に来て、

まさかホタルにも出会えるとは思いもよらないことでした。

その時は、三人でただひたすら興奮するばかりでしたが、

後になってから、まさに私が目指していた世界がそこにあったことに気づき

思わず胸にこみ上げてくるものがありました。



「月」と「蛍」と「行燈」の仄かな明かりを通じて

夜は生命(いのち)のゆりかご

ほのかな明かりが

まちをつくる

暮らしをかえる

というメッセージがそこに完璧に実現していたからです。


月夜野百八燈 改訂


今回の企画ではいろいろ詰めきれず不十分な点がありましたが、

この企画そのものは、おかげさまで間違いなくいけると強い確信をもつことができました。


そして、何よりも、この小さな光を見つけてくれたご主人に感謝です。

それと用意していた月ネタを次々と私の中から引き出してくれた奥様に心から感謝です。
 

 

名胡桃城址・お月見報告 A3 - ポスター用


おかげさまで、本日をもって名胡桃城址でのお月見期間が終了いたしました。

残念ながら昨日、今日と雲がかかり、

お月さまはほとんど見ることができませんでした。

こんな日に暗闇の名胡桃城址へ来てくれる人などいないものと思い、

明日の片付け作業の準備でもしていようかと思っていたのですが、

なんと今日も何組かの方が来てくださいました。

雲の切れ間のなく、ほぼ見れないことが確実だったので、

わざわざ来てくださった方には本当に申し訳ないと思いましたが、

こんな日にこそ、「無月」のことをお話ししようと思いました。


昔から人々は月が見れないこのような日であっても

それを「無月」として人々はいろいろと楽しんでいます。



この「無月」には、3つの意味の使われ方があります。


その第一は、文字どおり月がないことで、新月などの日に

天文的に月が見えないときのことです。


第二は、実際には月があっても、雲がかかったり

雨の日であったり月を地上で見ることができない日のことです。


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そして第三の「無月」は、天文学上、月が出ているかどうかではなく、

それを見る私たちの側が、

月を見ようとしなかったり、出ていてもそれが目に入らなかったり、

こちらの身体的制約があって見えなかったりする場合の「無月」です。



今日、沼田から来られたご夫婦は、とても熱心に月への興味を持たれていたので、

ようやくこの話題をお話しすることができました。



月は、日々、満ちたり欠けたり

雲に隠れたり現れたり、常に姿を変えますが、

月そのものの実体は、いつでもまん丸であることに変わりはありません。

それが三日月に見えたり、半月や満月に見えたりするのは、

こちらの側の太陽との位置関係、立ち位置によって変わることで、

月そのものの実体は、いついかなる時でも「まん丸」です。



得てして、月が欠けたり見えなかったりする事が

相手の変化として見えるものですが、

相手に文句を言う前に、自分の側の立ち位置がそう見せているのであり、

自ら立ち位置を変えれば、月(相手)の姿は、

いつでもまん丸である事に気付けるのです。

たとえ相手が厚い雲に覆われていても、

月そのものの実体は、今も満月です。



そんなお話しを熱心なご夫婦とじっくり色々お話しする事が出来て、

まさにこの企画を通じて実現したかったものが、

理想の形で実ったような気もします。


今回の企画は、とても大勢のボランティア参加の皆さんと

関係機関の協力、資材の提供を得て実現することができただけでなく、

伝えたいメッセージを届けるには、このようなスタイルでこそ、

確実に伝えられるのだと確信することができました。 


やっぱり、この町は

ツキと運だけで十分勝負していける。

感謝。 

1日は曇り空、2日は小雨と月の見れない日が続いておりますが、

明日は夕方までには雲は切れてくれるものと確信しております(笑)


下の写真は、昨日、ほんの一瞬雲が薄くなった時に見えた月です。

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直前のご案内になってしまって申しわけありませんが、3日の名胡桃城址のお月見の流れは以下のような予定です。


16:00  次第打ち合わせ
                追加行燈 設置(配置調整)
     キャンドル設置
    篠笛演奏場所
   A: 三郭門北      B: 二郭南東角 C:本丸(石碑前・東屋)   D:ささ郭

16:30   (篠笛演奏)
               月の出予定 16:10すぎ
    ①、朗読
       月解説 「十五夜・十三夜と月見の習慣について」
    (篠笛演奏)

17:00   ②、紙芝居
       月解説「かぐや姫と不二=不死、富士浅間信仰 源順について」
    (篠笛演奏)


17:30  かがり火・行燈点灯               *人員配置再確認

               (篠笛演奏)
              月解説 「月夜野と名胡桃城址、月見の地名・地形」

18:00       ③、絵本
         月解説  「暦の基礎 太陽暦と月暦」
                (篠笛演奏)

18:30  ④、絵本 (またはアンコール上演)
         月解説「満月の法則・ツキと運だけで勝負できる町、月夜野」
     (篠笛演奏)

                        明日の「指月会」と6日(木)「満月の夕べ」案内

19:00  ささ郭 固定企画終了   お


  (19:00〜21:00  フリータイム 篠笛演奏  A〜 Dにて)
    ・
   フリー解説「三貴神とアマテラスvs 月読命・月夜野神社のこと」

20:00

21:00        行燈消灯   終了

名胡桃城址の月見


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九日月 上弦の月〈9月28日(木)〉
月齢 7.9


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十日月 〈9月29日(金)〉
月齢 8.9

少しふっくらとした一日の違い

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十一夜 〈9月30日(土)〉
月齢 9.9



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朗読のリハーサル

十四夜 〈10月3日(火)〉の打ち合わせを現地で行いました。


夜になって真庭から来ていただいた家族連れの方、
子供の頃は、ここまで来てはいけないと言われてたとか。

確かに、ひとりで来たら危ない場所ですが、こんないいとこはないです。

下から明日のヤッサ祭りの盆踊りの練習の歌か聞こえてきます。



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半月であっても19時をすぎれば
月明かりだけで、足元は十分みれる明るさです。


https://www.youtube.com/edit?video_id=QEIXRD_Ckho 


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十五夜 中秋の名月 〈10月 4日(水)〉
月齢 13.9


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十六夜 〈10月5日(木)〉
月齢 14.9

十七夜 〈10月6日(金)〉は、月齢 15.9です。
月齢の 14.9と15.9、どちらがより満月かといえば、14.9の日の方でしょうね。
肉眼では、ほとんど違いはわかりませんが。



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いよいよ明日、28日(木)上弦の月

名胡桃城址に行燈を設置します。(10月9日まで)

明日の月の出時刻は、12時半すぎです。

日が沈む頃には、ちょうど名胡桃城址南の富士浅間山にかかる
美しい月の景色がみれるはずです。

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「月夜野百八燈」として昨年から製作し、活用し始めた行燈ですが、
第1回は、月夜野橋の歩道橋。
第2回は矢瀬遺跡から上毛高原駅に至る月夜野歴史郷土資料館前に至る歩道。

これに次いで3つ目の展示場所となります。

これまで細かい仕様を何度も改良しながら、
行燈そのものの完成度を高めてきましたが、
何よりも展示する場所のロケーションがとても大事であることを痛感してます。


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美しい景観を持つ古城址。

これに勝る観月空間は、なかなかありません。

名胡桃城址という固有の物語のある空間

月夜野という魅力あふれる地名から生まれる物語。

少しずつですが、生まれ育ち始めています。
 




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名胡桃城址のお月見 〜月夜野百八燈〜
  段取り打ち合わせ

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  月暦              西暦                                     月の出  南中  月の入    


        9月27日(水) 行灯委託先より回収
              名胡桃城址 柱のみ一部設置


九日月       9月28日(木) 上弦の月  12:37       17:46       22:55

      16時より 行灯設置作業        


十日月       9月29日(金)                          13:24       18:34      23:45  

             16時半よりリハーサル


十一夜       9月30日(土)                          14:08       19:23      0:39   

    

十二夜     10月  1日(日)                          14:50        20:11             


十三夜     10月  2日(月)                          15:29        20:59            


十四夜     10月  3日(火) 宵待月       16:06        21:48  

      16時より キャンドル設置

    

 

十五夜     10月  4日(水) 仲秋の名月     16:42        22:37          

     月夜野 指月会 嶽林寺  16時:行灯・キャンドル嶽林寺へ移動設置 

                     17時半まで名胡桃城址へ戻

            篠笛、朗読、紙芝居「かぐや姫」など


十六夜     10月  5日(木)   十六夜              17:18       23:27           


十七夜     10月  6日(金) 立待月   満月    17:54       0:18         

         満月の夕べ   紙芝居「月うさぎ」など

 

           (15時〜17時 会議あり)


十八夜     10月  7日(土) 居待月              18:33      1:11             


十九夜     10月  8日(日) 寝待月              19:14      2:06       


二十日月 10月  9日(月)    更待月              20:00      3:03      


       (行灯点灯期間 10月9日まで)


二十一夜 10月10日(火)    16時より 撤収作業

   月の砧   小唄【本調子】



松に住む、

月と相手に打つ砧、

我が家一つの秋にやと、

思へばいとゞ淋しさに、

木の間隠れに啼く虫の、

ほんに心も遣る瀬なや。



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名胡桃城址の月見

フライヤーができあがりました。

名胡桃城址の月見 ウラ
裏面


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この企画は、必ずしも歌や演奏盛りだくさんといったイベントではありません。

目指すイメージは、



月夜野に暮らす若者が、月明かりにつられて外を歩いていたら

遠くからかすかに笛の音が聞こえて来る。


その笛の音の聞こえる方に若者が歩いていくと、そこは古城址。

見るとその古城址に村の娘がひとり笛を吹いている。


娘の姿は、月明かりに照らされ

全身の輪郭を顔立ちだけが薄っすらと。


妖しい姿にみとれて若者は声もかけられず、

しばらくその場に立ちすくむ。




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月明かりの下で不思議な邂逅が、

月夜野のいたるところで生まれるような。

そんな環境作りの一歩をイメージした企画です。



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したがって、夜のイベントだからといって
照明や音響設備を使うことはありません。

月明かりだけが頼りになるような、暗い場所に
ほのかな行燈の明かりのみが照らされます。


蛍光灯が一般家庭に普及する昭和30年代まで、
夜は暗いことがあたりまえでした。

そんな暗い夜の世界の空に顔をだすお月様の明かりが、
どれだけ人びとの心を照らしてくれるものであったか。


現代の暮らしではなかなか気づけない本来の夜の姿と
お月様のありがたみを感じるきっかけに少しでもなれればと思います。


現代社会は、
ただひたすら真っ昼間のように夜が明るくなることばかりを目指してきました。
それはあまりにも明るさ一辺倒の世界を力ずくで押し通した社会です。


お日様の力は、
光と暖かさを与えてくれるありがたい存在であることに間違いありませんが、
一日の半分を占める夜は、暗いことでこそ
生命をはぐくむ大事な時間であるはずです。


夜はいのちのゆりかごです。



月夜野百八燈 改訂


世の中、もちろん暗いよりは明るい方が良いにきまっていますが、

夜の時間は、ただ昼と同じように明るくするばかりでなく

ほのかな明かりこそ、

暮らしをつくる、ということ

まちをつくる、ということ、

そんなことを考え感じられる企画になれたらと思います。




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