「月夜のタヌキ」プロジェクト

物語のいでき始めのおや 〜月夜野アーカイブ〜

「物語のいでき始めのおや」とは、竹取物語のことを指した源氏物語のなかにあることばです。私たちは、「月(ツキ)」と「運」だけで勝負できるこのまち月夜野に、たくさんの物語を育てていきます。2016年、月夜野が日本百名月に登録されたことを機に、みなかみ〈月〉の会を結成しました。

2016年09月

もうかれこれ2週間くらい、ほとんど月の見れない日が続いています。

今思えば、仲秋の名月「指月会」でほんの一瞬だけでもみることが出来たことが、
あらためてありがたみを増して感じられます。

20161003_165223








20160926_073402






20160927_063842



もう月末も近づき、このまま新月になってしまいそうです。


20160928_052812
27日、28日と、つかの間の空が見えましたが、月が見れたのもほんの一瞬。



でも、美しい月を見るばかりでなく、
月を待つとき、
雲や山に隠れる月、
新月の深い闇など、
姿を見ることのできない月も、たくさんの歌に詠まれています。

そんな月の見えないときでも一際、寂しさを晴らしてくれる歌。




わが背子とふたりし居らば山高み 里には月は照らずともよし

                       高岡河内連 巻6 雑歌1039 






他に、姿の見えぬ人(月)との絶妙の会話例としては源氏物語の中に以下のやり取りがあります。

 源氏は、見えぬ相手の手を几帳越しにつかまえて

  梓弓(あずさゆみ)いるさの山にまどふかな ほの見し月の影や見ゆると
  
   いつぞやほのかに見えた有明月の光がもう一度見えるかと、月の入るあのいるさの山ならぬ、この戸口で尋ねあぐんでいます


     (朧月夜の返歌)心いる方ならませば弓張の月なき空に迷はましやは

         お気に入りのところだったら、弓張の月のない、途方もない闇の空にもお迷いになるはずはないでしょうに、
         やっぱり熱情がおありにならないからでしょうよ

                           紫式部  源氏物語 花宴

IMG_3754




山あれば山を観る

雨の日は雨を聴く

春夏秋冬

あしたもよろし

ゆふべもよろし


       山頭火





20160924_180747


秋は楽しいことがいっぱい。

IMG_3744

渋川の元高校教師、N先生に教えてもらった河原篤子の歌集。

IMG_3707


N先生には「月夜のこころ百景」
http://tsukiyono.blog.jp/archives/1060128701.htmlで選ぶ短歌でもいろいろアドバイスを頂いています。

いつもの立ち話の流れで今年の春に京都へ行った時、一緒に行った妻が河野裕子の本『京都うた紀行』
https://www.amazon.co.jp/京都うた紀行%E3%80%80歌人夫婦、最後の旅-文春文庫-河野裕子-ebook/dp/B01BF313MO/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1474115479&sr=8-1&keywords=河野裕子%E3%80%80京都
がとても旅の良い参考になったと喜んでいたことなど話していたら、河野裕子のつながりで河原篤子という歌人が『月夜野郵便局発』という歌集を出していることを教えてくれました。



歌集タイトルが『月夜野郵便局発』となっていますが、1冊全部が月夜野に関わっているわけではありません。

また河原さんは名古屋生まれの京都育ちの方で群馬や月夜野に格別の縁があるというわけでもありません。

月夜野という地名の響きに強く惹かれて創作を刺激されつくられ、それをタイトルにしたということです。





毛の国はたぬきも来たり織姫に文出すらむよ月夜野郵便局発





言われてみれば、手紙を出す月夜野郵便局というだけでも、宮沢賢治の童話が生まれそうな響きです。



早速、「月夜のまちライブラリー」
http://www.tsukiyono100.com/about-1-cmbe
の1冊に加えさせていただきました。 

月夜野橋の歩道に行灯を飾らせていただく許可がおりました。

これから、仲秋の名月や春、秋の茂左衛門の縁日などに飾らせていただく計画です。

今回は、15日(水)の仲秋の名月から17日(土)の満月の日まで展示します。

20160915_175217

手すりへの固定方法は、いろいろ検討を重ねましたが、紐の縛り付けだけだと次第に緩む可能性があるので、リピートタイを使用して結びではなく締め込む方法をとってみました。
作業をしてくれたまちづくり協議会の皆さんも、要領をつかむまでは結構苦戦しました。
でも、この方法であれば外すとき、ロックを解除するだけになるので、次回からは楽になります。

1日目は、LEDロウソクを使用しましたが、橋の照明があるので、やや光量不足を感じます。

ただ明るさばかりを求める現代の照明に対しては、このくらいの仄かな明かりの魅力を見せたいところですが、ロケーションに応じて明るさもそれに相応しいものにしないと、演出の効果が出ません。

20160915_180025


2日目は、LEDではないロウソクに変えてみました。

20160916_183009


橋の上であるため風が吹くとすぐに消えてしまう心配もありますが、カップ型のロウソクなので、ある程度の風は耐えられるかと思います。

20160916_183428

橋を通過する車が、信号待ちの間、だいぶ皆さん注目してくれました。 

IMG_3711


50台のボリュームが見れる良いアングルの写真は、なかなか撮れませんでした。



IMG_3698



こうした場所の場合は、やはり傘(屋根)をつけた方がずっと見た目がよく、多少の雨でも心配も無くなるので、今後、傘部分の追加製作をします。


出来れば、手すりと柱の部分だけでも木を巻くような加工の許可も得られれば、ずっと風情も増すかと思いますが、実績を少しずつ重ねて粘り強く交渉していかないとなかなか難しいかもしれません。

まだまだ改良を重ねる必要がありますが、とりあえず小さな一歩を踏み出すことができました。

飾ることができたのは50台ほどなので、「月夜のこころ百景」の百選のうち半分ほどの歌や俳句ですが、一つひとつにとても魅力あふれる物語があるので、少しでもそれに気付き歩みを止めて見てくれる人が出ると嬉しいです。

橋を歩きながら、月の名歌・名句をゆっくり読んで楽しみ 、利根川の景色を楽しめるようになれたらと思います。



いま月夜野橋を景観に配慮した色に塗装をしてくださいなどとお願いしても、なかなか相手にはしてもらえませんが、このような積み重ねで少しずつ世論を育てて、何十年後かの月夜野橋の耐用年数の切れる頃には、京都嵐山の渡月橋のような橋の改修を実現したいものです。 

IMG_3054
 

20161004_164619


現在の月夜野橋は、1957年(昭和32年) 宮地鉄工所製 
下路 平行弦ワーレントラス 1連

20161004_163805
 

 

このページのトップヘ