長い年月を経て人間に同化してきた吾々俚(タヌキ)からすると、人間の知性の進化には敬服しつつも、あらゆる生命活動の土台である意識の介在しない自律神経系の活動をあまりにも軽視していることが、どうにも納得できません。

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フロイトやユングの潜在意識とかではなく、長い生命進化の歴史で大脳発達以前の生命個体としての自我の形成は、高度な文明社会の現代でも基本的要素を成していることに変わりはない。

脳は、自律神経系を軸に無意識で動く自分の身体機能をモニターしているのだと養老孟司は言う。

人間の高次神経機能の独自な進化を否定するつもりはないけれど、物事の順番、土台を見失ってはならないと吾々俚は思う。

タヌキの家族のなかで行われている日常の兄弟喧嘩、子どもを愛おしむ気持ち、嫁さんをめぐる争い、腹が減れば気性も荒くなる、一晩寝て起きればスッキリするなどの喜怒哀楽生活と、人間の日常生活の意識世界との間にどれだけの差があるというのだ?

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愛とエゴイズムの動物社会学
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