かぐや姫、竹取物語というのは、
「結婚しない娘」
「結婚したがらない娘」
の物語でもあります。
(参照 中沢新一『狩猟と網み籠 対称性人類学2』)

かぐや姫は、いろいろな男が言い寄ってきても、
難題を吹っかけてみんな断ってしまいます。
では良い条件がすべて整えばOKなのかというと、
そうした条件がすべて揃っているような帝の誘いさえも断ってしまいます。

ここには、現代の未婚女性が増えている社会問題の根幹が語られてます。
容姿端麗で高学歴で高収入などの条件さえ整えば、
あるいはもっと行政や国の支援がしっかりしていれば・・・、
といった条件思考に偏ってしまった現代の人間観への痛烈な批判が隠されています。

人の幸せというのは、
お金さえあれば、
仕事さえあれば、
様々な制度さえ整っていれば得られる
といったものでは決してありません。
(もちろん、直さなければいけない制度はたくさんありますが)

自分の外にある条件ではなく、
自分の心の内側に感じられるかどうかの問題です。 

余計な深読みをしすぎているかもしれませんが、
神話→伝説→民話の系譜を持って練りこまれている「竹取物語」の性格からすれば、
むしろ自然な解釈にも思えます。

そんな「竹取物語」の作者説のある源順(みなもとのしたごう)が、
月夜野に来て歌を詠んだという伝説は、更にことのほか奥が深いのです。


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