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今日は十一夜
月齢10.0

これは、私たちのいう「ボヨヨンの月」です。 

半月よりもちょっと膨らんだ月のことですが、
他におぼろ月も広義のボヨヨンの月に含まれます。
以前どこかに「ボヨヨンの月」の定義について書いたような気がするのですが、
毎度のことながらおぼろな記憶、見つかりません。


私たちがこのボヨヨンの月にこだわるのは 、
この形がなぜか日本画のモチーフでとてもよく使われるからです。

最近流行の酒井抱一もこんな形を描いてます。
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これは絵画ならではの形状で、
満ちていく時の形なのか
欠けていく時の形なのか、よくわかりません。
かろうじて左の方が欠けているようなので
十一夜から十四夜あたりの月が元になっているかと思われます。

そして何よりも印象的なのが、
日本美術史上、最強のコンビと思われる
本阿弥光悦と俵屋宗達の月。

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これも、満ちていく時では無く 、
欠けていくときの月。
つまり夜遅くならないと見れない月です。

風景とともに描かれているこのかたちの月は、
十八夜くらいの月で夜8時過ぎにでる月。
細いときで夜9時から10時頃に出る月です。
いくら月明かりがあるとはいえ
真っ暗闇でみる風景の絵ということなのでしょうか。

月明かりに浮かび上がる風景ということなのでしょうか。

いえ、むしろ考えられるのは、
有明の月
つまり明け方にみる月であると考えられます。

十八夜であれば、月は西に沈むのは朝の8時前後。
二十二夜であれば、お昼頃に沈みます。

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とすれば、 

もちろん、すべてがそうであるとは言い切れませんが、
絵の主題になっている歌や物語などを推察すると、
妻問婚や夜這い、浮気など夜をともにして、
後ろ髪を引かれるように明け方家を出るときにみる月
これこそが風景とともに描かれる多くの実態ではないかと考えられます。

さらには、有明の月ということからすると、
旅立ちの朝という設定も考えられます。

とすれば暦上で日を選ぶ何らかの理由もついているのかもしれません。

他方、月の傾き方の方を正確に解釈すれば、
決して朝の沈むときではなく、
月の出始めの夜ということになります。

いったいどうなのかよくわからなくなりますが、
現代人よりははるかに大事な暦として
月のかたちは誰もが意識していた時代のことです。

少なくとも、まったく意味なく
月のかたちを描いていることは極めてマレであると
考えた方が自然であると思います。

もちろん絵画の場合は、代々受け継いできた型、モチーフがあり、
ただその型を継承しているに過ぎないかもしれません。

それでも、ボヨヨンの月は、
決してボヨヨンと見ているわけには行かないのです。