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1989年に制定された「清酒の製法品質表示基準」では、造り方によって次の9種類に分類されています。
このうち、「一般酒(または普通酒)」以外の8種類を、まとめて「特定名称酒」と呼んでいます。


・精米歩合70%以上:一般酒(または普通酒)
・精米歩合70%以下、醸造アルコールを添加:本醸造酒
・精米歩合60%以下、醸造アルコールを添加:特別本醸造酒
・精米歩合の規定なし、醸造アルコール添加なし:純米酒
・精米歩合60%以下、醸造アルコール添加なし:特別純米酒
・精米歩合60%以下、若干の醸造アルコールを添加:吟醸酒
・精米歩合60%以下、醸造アルコール添加なし:純米吟醸酒
・精米歩合50%以下、若干の醸造アルコールを添加:大吟醸酒
・精米歩合50%以下、醸造アルコール添加なし:純米大吟醸酒


この精米歩合の差がそのまま価格の差、グレードの差になりますが、
当然のことながら味の差というのは、このような価格、グレードの差に比例して変わるものとは限りません。

そのことを教えてくれたのがこのお酒。

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「無濾過生原酒 純米 八十八」


これまで大利根酒造さんのお酒で熱燗に向いているのはこのお酒ですよとのおすすめの言葉にとらわれて飲んでいた酒ですが、酒米本来の味わいを引き出すために精米歩合を88%におさえてつくった酒という特質をあなどっていました。

大利根酒造さん自身、このお酒は今年になってうまい具合に仕上がったと言われていたので、私の感覚も間違っていなかったかもしれません。

古来、甘いものであれば何でも酒になると言われるほどお酒にとって甘みは基本要素なのですが、私を含め、酒好きほど辛口の酒を好む人が多いものです。

どうしてそう思われてしまうのかと考えると、多くの理由が、日本酒を飲んだ後に甘みの重さ、不快さが残ることによるのではないでしょうか。

その点、大利根酒造さんのつくるお酒は、どれも酒米本来の甘みを自然なかたちで引き出すことができているので、後に残る甘みといったものが全く感じられず、純米大吟醸と同じようにこの「八十八」もさらりと口に入るのです。

酒は辛口でなければダメと思い込んでいる多くの呑兵衛の皆さんに、大利根酒造さんのつくる酒が、お酒の本質は甘いことにこそあるのだということを気づかせてくれることと思います。

上記の酒の分類説明からしたら、グレードは低いばかりの酒になってしまいますが、これほどお酒米の味わいを楽しめるお酒はありません。
しかも安い価格で!


もちろん、88%というのは、八十八で「米」の字になるわけですが、漢字の意味と言葉あそびと蔵元の心意気で、これほど日本酒の味わいを愉しめるお酒もありません。


本日、十六夜。 

いざよう月にさそはれて。