月夜野百景の歳事記が12月、1月、2月を冬としている都合、12月が2017年の暦になっており、慌てて内容を更新しました。

そこであらためて「月夜野歳事記」を見ると、「冬の恵みは土の中から」として、ダイコン、ジャガイモ、里芋、ハクサイ、長ネギ、ほうれん草などとともに、タラ・アナゴ・ブリ・カワハギ・カレイ・ヒラメ・カキ・ナマコをあげていました。

収穫の秋が終わると、味覚の世界はピークが過ぎたような気もしますが、実際には冬こそ美味しいもののクライマックスであるとも言えます。


 
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冬という時期が旬である作物や魚というのは、
より寒いことでこそおいしくなるものです。

以前、北海道のジャガイモやネギがなんでこんなにうまいのかといったことを
北海道の知人に聞いた時、
同じ北海道でも、寒さの厳しさのないところでは、ダメなんだ
といったようなことを聞いたことがあります。

魚でも、野菜でも、冬の厳しい寒さがあってこそおいしくなるもの。


群馬の歳事記で海の幸まで入れることもどうかと迷いましたが、
季節を感じるものとして、とても外すことはできませんでした。

最近、たまたま高橋是清の年譜を整理していて気付いたことですが、
こうした海の幸が旬のものとして群馬でも食べられるようになったのは、
明治後期から昭和初期にかけて鉄道網が日本全国に行き渡ってからのこと。

海に囲まれた日本だからといって、必ずしも当たり前のことではなかったのです。


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日常の会話で、「寒くて嫌ですね〜」
などと言われると、よく冗談半分の見栄で、
「冬はこうでなくちゃ!」
と返したりしていますが、 半分これは冗談ではなく、
こうした食のことを考えれば本音でもあります。