名胡桃城址・お月見報告 A3 - ポスター用

今回の企画中、なかなかうまいタイミングで来場者へ月の解説をすることができず、もどかしさを感じていました。
それでもようやく、終盤のあいにく雲で月の見れない日になって、じっくりとお話しをする機会をもつことができるようになりました。

そんな貴重なお客さんとの出会いのなかでも、最終日に沼田から来ていただいたご夫婦と過ごさせていただいた時間は、私にとって格別なものでした。

それは、そのご夫婦とゆっくりと名胡桃城址を歩き始めて間もなくのことです。

ご主人が、二の丸の土塁を見て
「ホタルがいる」
といったのです。

え?
と思いながら、じっと土塁の草むらを見つめると、
確かに、小さな明かりがかすかに見えます。

これは、本当にホタルの光だろうか、
と半分疑いながら目をこらすと、
数十センチ離れたところでもまた光っているのが見えました。

確かにこの光り方はホタルです。

次第に目が慣れてくると、
あちらにも、こちらにも、
光が見えてきます。

それは、暗闇をただ歩いているだけでは気づかないような
とても小さな光です。

思わぬ発見の興奮と
その光がとても小さいこともあり、
ひたすら三人で感激するあまり、
写真撮影にはとても気がまわりませんでした。


ホタルは日本に40種類以上いるそうです。

幼虫が水中でくらすのはゲンジボタルとヘイケボタルくらいで、


他の種類の幼虫はみな陸棲です。

調べてみると秋のホタルというと、クロマドボタルの幼虫かと思われます。


名胡桃城址へ月を見に来て、

まさかホタルにも出会えるとは思いもよらないことでした。

その時は、三人でただひたすら興奮するばかりでしたが、

後になってから、まさに私が目指していた世界がそこにあったことに気づき

思わず胸にこみ上げてくるものがありました。



「月」と「蛍」と「行燈」の仄かな明かりを通じて

夜は生命(いのち)のゆりかご

ほのかな明かりが

まちをつくる

暮らしをかえる

というメッセージがそこに完璧に実現していたからです。


月夜野百八燈 改訂


今回の企画ではいろいろ詰めきれず不十分な点がありましたが、

この企画そのものは、おかげさまで間違いなくいけると強い確信をもつことができました。


そして、何よりも、この小さな光を見つけてくれたご主人に感謝です。

それと用意していた月ネタを次々と私の中から引き出してくれた奥様に心から感謝です。