ただひたすら尊いものといったような意味合いで

「ののさま」という表現があります。


仏教宗派では、阿弥陀様などの尊い仏さまを指すということもあるようですが、

地域で広く使われてきた歴史をみると、柳田國男が「日月神仏」といったように

仏様、神様、お日様、お月様など

この世のありとあらゆる尊いものと解釈する方が自然に思えます。

語感からくる個人的な印象では、観音さまから派生している気がしてますが、
その尊さとは次の狂歌のごとく、純真無垢なもの。

 

 

堀川百首題狂歌
 

  みどり子のののと指ざし見る月や教へのままの仏なるらん


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太陽も月も神も仏も、わけへだてることなく

月を語るに、これほどふさわしい言葉もありません。




   「なにごとのおはしますかは知らねども」