「月夜のタヌキ」プロジェクト

物語のいでき始めのおや 〜月夜野アーカイブ〜

「物語のいでき始めのおや」とは、竹取物語のことを指した源氏物語のなかにあることばです。私たちは、「月(ツキ)」と「運」だけで勝負できるこのまち月夜野に、たくさんの物語を育てていきます。2016年、月夜野が日本百名月に登録されたことを機に、みなかみ〈月〉の会を結成しました。



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行灯がこの仕様に決まるまでは、ほぼ1年をかけて試行錯誤を重ねてきました。

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最初は、本来のロウソクの明かりから始めたのですが、野外に放置する都合、

 
 

LED照明などの人口の明かりに変えざるをえませんでした。

          



 
昨年のホタルの季節には、蛍月亭を中心に設置しました。

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蛍月亭へ固定


 

その時は、蛍への明かりの影響がないようにとLEDロウソクを明かりに使いました。

  

しかし、それではやや明るさ不足で、様々なランタンの類を探し試してみて、

現在のLEDランタンにたどり着きました。


ところがそれも市販の製品のままでは、明かりが白すぎて暖かみに欠けるので、オレンジ色の蛍光マーカーで色を塗ることにしました。
 

さらにホタルの鑑賞期間は梅雨時でもあるため、雨の対策も試行錯誤を繰り返しました。

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初めは、雨が降るたびに行灯にレジ袋をかぶせたりしていました(笑)



 雨の心配があるたびにこのようなことをしていたのでは、
あまりにも手間のかかることなので、

①、厚手の和紙で作成した絵柄デザイン部分をパウチ加工しました。

②、行灯の取っ手部分に傘として屋根を取り付けることにしました。



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この屋根がすべての行灯の数だけ用意できたのは、2017年6月のホタル鑑賞の時からです。

これも、行灯の仕様自体がその都度、試行錯誤を重ねてきたため、取っ手の形などすべてが同じになっていないので、その固定方法も面倒ですが形状の違いに応じて複数の仕様でつくりました。 



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月夜野橋歩道の手すりへ直接縛り付けて固定




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固定用の柱を作成して台の部分にビス止め


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その他細かいことはたくさんあるのですが、まだまだ風雨への耐久性、ロケーションに応じた固定方法など試行錯誤を繰り返していかなければなりません。

太陽=昼の文化に仄かな明かりの夜の文化が対等な地位を取り戻すには、まだまだたくさんの積みかさねを要することなので、こうした仕様やノウハウは、どんどん公開して、積極的に盗んでいただけるものはどんどん利用していただけたらと思います。
 

まだ市販の行灯では野外の使用にも耐えられるような納得のいくものはないので、それだけの手間をかけてでも私たちは改良を重ねてつくり続けていくことが不可欠なのです。

今後も改良を重ね、随時こちらに書き加えていくことにします。 

 

 


ホタルの里の「月夜野百八燈」は、7月2日(日)まで
7時〜9時頃の間、
矢瀬親水公園上から月夜野郷土資料館前までの区間点灯しています。

月夜野百八燈 タテ 改訂
 



其子等に捕へられむと母が魂(たま)蛍と成りて夜を来たるらし  
窪田空穂



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山の端のほのめくよひの月かげに
     光もうすくとぶ螢かな
          道元




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音もせで思ひにもゆる蛍こそなく虫よりもあはれなりけれ
                       源重之




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       蛍火の今宵の闇の美しき   高浜虚子




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これまでは経済の時代でしたが、これからは哲学、心理学、倫理学の時代になると言われます。

確かにその通りに違いありませんが、私たちの住む月夜野では◯◯学と言っているうちは、人に伝わるものではないと考え、「物語のいでき始めのおや」と題してこの土地の物語を少しずつ育てながら書き始めているところです。

それは「哲学」や「心理学」、「倫理学」と並ぶような「文学」ではなくて、そこに暮らす人びとの日常の「ものがたり」として語られることを目指したものです。



    学問は尻からぬけるほたる哉    蕪村


蛍

「月夜野百八燈」の行灯の明るさも、そうした「ものがたり」を生みそだてるために、白色系の明かりではなく、暖色系の仄かな明かりで「月」と「蛍」が主役になる環境を目指したものです。 

「月夜野百八燈」設置10日目にして、初めて行灯の補修を行いました。

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よく雨風に耐えてくれていると思っていましたが、 初期に作成した行灯は木工ボンドの接着のみの部分があり、湿度、気温、日差しなどの変化にさらされると、当然傷むことが予想されていました。

点灯時に気付いたので、出直して工具を持ってきて2、3台補修をしました。

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昨夜は飲み会が盛り上がってしまい、行灯の消灯が午前零時をまわってしまいました。


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するとこの場所にもホタルが一匹、す〜と飛んでいました。


零時をまわると、まわりの駐車場の明かりなども消え、車の通りもほとんどありません。


そんな夜の闇は、先の東京オリンピックのころまでは当たり前のようにあった世界です。


普通の家のなかにまで、す〜とホタルが入ってくるまちを取り戻すこと、

それは決して夢物語ではありません。



       すっと来て袖に入たる蛍哉

                           杉 風

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